(一社)児島青年会議所2021年 理事長所信

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2021年理事長           髙田 尚志
勤務先      髙田織物(株)
生年月日     昭和56年8月11日

【はじめに】

 児島青年会議所は1956年7月5日に全国97番目の会員会議所として誕生し、今年で65周年を迎えます。「修練・奉仕・友情」の三信条を掲げ、いつの時代も明るい豊かな社会の実現にむけ、幾多の国難や地域課題と向き合い事業・運動を展開してこられた先輩方の実績は、私どもの誇りであります。その上で現状を鑑みると、私たちが正視しなくてはならない地域課題もまた、時代のハレーションから生まれた避けられないものばかりです。愛する人や大切な人が住み暮らすまちだから、JCメンバーは苦しくとも前を向き、共に生きる方々とパートナーシップを通じ、思いを成すために行動することが求められます。その過程において、各々にできることを持続可能な社会をつくるために捧げることは、これからの社会を担っていく私たちの確かな成長に繋がるものと確信しています。
 これまでもそうであったように、我々はJCの力を信じ、仲間や地域の方々と共に歩みを進め、情熱をもって青年としての務めを果たします。

【65周年を迎えるにあたり】

 1年の重みを知ることは、65年という歳月に感謝することであります。とりわけ60周年から5年間は、人口流出・少子高齢化がさらに進み、幾多の激甚災害や感染症にも見舞われた5年間でありました。そんな環境下でJCの運営や事業を継続していくことは当たり前のことではありません。当たり前が当たり前ではない時代だからこそ、一つ一つの例会、委員会、会議、事業、出向の機会は尊く、意味を持ちます。刹那に意識を置きながらも過ぎ去った時間を取り戻すことはできません。しかし、その日々を目を細めて同志と共に振り返ることはできます。その振り返りの時間こそ、JAYCEEが幸福に満たされる時間であります。その時間は我々に歩んできた道のりの正しさと、これからもこの道を進む正しさを指し示してくれます。創始の精神を再確認し、青年の学び舎を受け継いできてくださった全ての方々への感謝の思いを胸に、未来への希望を託す65周年にします。

【会員拡大(スカウト)について】

 会員拡大は、JCの力を信じることから始まりです。そして、自分自身の成長を実感でき、JCのある人生を歩むことを誇れるようになることが大切です。そんな自分に出会うことができなければ、どんな手法を用いて声掛けをしても、候補者を入会へと導く言霊を届けることは困難です。児島を明るい豊かな社会へ導くためには、仲間を増やすことは不可欠ですが、同時に大切なことは、候補者の成長と候補者をJCに預けてくださる関係者の皆さんからの期待に応えんとする覚悟を持つことです。誰のためでもない、仲間と自分自身の成長のためにも、JCの価値を高める努力を怠ってはなりません。その上で本気で事業・運動を展開し、手法については大胆に、しかし同時に連続性を伴う緻密性も必要であります。成果が出ない時には心が折れるかもしれませんし、魅力を伝えられない自分自身を歯痒く思うこともあるでしょう。しかし、真の拡大は断られてからが勝負です。迎え入れるまでは苦しくても、その先には一生付き合える仲間ができることを信じて、10年後も20年後もこのまちで過ごす青年に、JCの魅力と価値を伝えてまいりましょう。気負いせず、ひるむことなく励まし合い、より魅力的なLOMにするために全員拡大運動を断行します。

【中国地区コンファレンス主管に際して】

 中国地区コンファレンスを主管できる廻り合わせは、過去からの贈り物でもありますが、それ以上に我々の意志によるものでもあります。誰かのために出会いと成長の機会を提供する者は、実は最もその恩恵を受けることができる、それが大きな大会を主管するLOMの最大の益の1つです。と同時に、お越しいただく地区内のメンバーにとっても、我々が住み暮らす地域にとっても、かけがえのない何かを与えられるような運動を展開することも求められます。それらの益がもたらす結果のことを成功と呼ぶのかもしれませんが、もっと大切なことは、そこに行きつくまでの筋書きのないストーリーを我々が歩み、これからの時代を生き抜いていくために必要な何かを感じ、糧を得ることであります。例えばそれは、副主幹いただく倉敷3JCの友情によって得られるものかもしれませんし、先輩からの叱咤激励によるものかもしれませんし、仲間のひたむきな後ろ姿や涙かもしれません。皆それぞれに、期待もあれば不安もある。しかし、あらゆる準備をすれば不安は打ち消されます。全てが終わった時に、メンバー全員が完全燃焼した余韻の中で、心から主管してよかったと言える中国地区コンファレンスを開催します。

【LOM運営について】

 明るい豊かな社会を築いていくためにも、地域によりよい変化を与えていくためにも、まず大切にすべきことは、それを興さんとするメンバーが参加しやすい環境を作ることであります。そのためには、互いの立場を尊重しつつ、互いを高め合うために率直な意見が出し合える会議体と、決して崩れない人間関係の構築が不可欠となります。同時に、時間にもけじめをつけ、メリハリを効かせた濃密な時間を過ごすことで、仕事はもちろんプライベートの時間も大切にすることができ、より良いJCライフを送ることができます。そしてその結果得られる一人ひとりのイキイキとした姿によってこそ、周囲の共感と支援が得られます。
 そしてそれらを得るために必要なことの一つが広報活動であります。とりわけSNSの活用はますます重要性を帯びてきます。目的や届けたい相手に応じてツール使い分け、コンテンツも充実させ、計画的にしかもセンスよく届ける広報活動を行うことで、より魅力的な団体へとブランディングすることができます。メンバー自身が、そんな団体に所属して活動することに、誇りと自信をもつことで誰もが参画したくなるようにLOMを運営します。

【人財育成について】

 メンバーのために様々な成長の機会が用意されていることは、青年会議所に所属する大きなメリットの一つであります。限られた時間の中で何を選択するかは、本人の意志による部分が大きいですが、真に互いの成長を願うのであれば、その機会へ手を引いて導くことが大切であり、逆に、引かれる側は不安と期待に胸が張り裂けそうになっても、一歩踏み出すことが大切です。その結果、誰とどんな時間を過ごし何を学んだかという経験を得ることがいかにその後の人生を豊かなものにするかということは、先輩方が示してくださっている通りであります。
 目に映る身近な存在のために努めることは当然のことですが、将来に渡り、予想もできない荒波の中でも彼らを守りぬく胆力を備えた自分とは、自身の力だけで出会えるものではありません。自分の成長のためには、仲間の成長が必要であり、仲間の成長のためには、自分も成長することが求められます。互いの立場を尊重し、厳しい時にも励まし合える。そんな、寄り添う心の絶えない人財を育成します。

【青少年の育成について】

 青少年の健全育成に携わることは、青年会議所メンバーのみならずその地に暮らす大人たちの大きな役割の一つであります。だからこそ、行政や教育機関、各種団体とパートナーシップを大切にしながら、青年会議所にできることを重ねていく必要があります。その上で特に大切にすべきことは、主体は子供たちにあるという視点を持つことです。「児島の未来を担う子供たち」という考え方だけではなく、児島を飛び出し、日本や世界をまたにかけて活躍できる人財を輩出できるまちであることも、子供たちが郷土に誇りを持てる要素であると考えます。児島で育まれた青少年が、未来に可能性を感じ、大きな夢を描けるような導きを施します。

【有事に際して】

 有事はいつ起こるものかは分かりませんが、そんななかでも率先して動くことができるのがJCであります。唯一無二の郷土のために、岡山ブロック協議会や他LOMとの連携はもちろん、これまでに培ってきた地域との繋がりを生かし、フェーズに合った支援策を早急に検討し実施します。また、活動エリア以外での災害に対しても、災害の規模や状況に応じて、単独でできること、また連携すべきは連携し、各地との友情に応え、世の中が平静を取り戻すために尽力します。

【むすびに】

 私たちの生活は地域と密接に関係しています。まちづくりは誰のためにするのか。それは詰まるところ、私たち自身のためにするものでもあります。大切な家族がいて、子供達は学校に通い、社員がいて、お客様や仕入れ先様も住んでいる。自分達が心豊かに生活していく上でなくてはならない大切な人たちが住み暮らすまちだから、青年経済人である私たちは、彼らのためにも明るい豊かな社会の実現に向けて前進することが求められます。そして何より、持続可能性を模索しながら、可能性が広がるように次の世代に繋いでいくことが求められます。
 人と時を思う。目に映る今この瞬間のためだけではなく、過去も振り返り、これからもこのまちで過ごす人たちのために今できることは何か。すべきことは何か。理想を掲げ、想像力を膨らませ、危機感を持ち、それらを仲間と共有し、知恵を出し合い、活動と運動を積み上げていく。未来をより良いものにするために、忠恕を欠くことなく全てと向き合う。仲間の成長のためにも、地域の豊かさを追求するためにも、真に必要とされる団体となります。
  • スローガン
  • 情報開示
  • 定款
  • 倉敷市民憲章

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